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夜に生きる 〔ハヤカワ・ミステリ1869〕

「極夜」の感想で紹介されていたので読んでみました。
面白いです。
チャンドラーとかエルロイとかが描いていたクレイジーで暴力的なアメリカがよりよく理解できた気がします。
警視の息子がギャングになってみたり、すさまじい人種差別(「スペ公」「イタ公」などの蔑称を初めて知りました。)があったり、アメリカの暗黒面(今まではちょっと信じてない所もあったんだけど)がより「説得的」(っていうのか?)に描かれていて、よかったです。
これじゃー、よっぽど正義の味方面してタガを締めないと国が成り立ちませんな。
シャッター・アイランド (ハヤカワ・ノヴェルズ)

「慟哭」と「ニュークリアエイジ」を思い出しました。
あとから考えれば、ところどころ「おや?」という違和感があったのですが、深く考えずにスル―してしまいました。
ルヘインもこの手の物語を書くんですね。
でもこの手法は一回しか使えないでしょう。
何回も使えば「なんだまたかよー」と思っていまいますからね。
私としては、「夜に生きる」「ミスティックリバー」のほうが好きです。
運命の日 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

アメリカにも社会主義者などが活発に活動するような経済状況の時があったんですね。
アメリカって昔っから豊かで、社会主義者などが嫌いなお国柄だと思っていたので認識を新たにしました。
毎度、アメリカの新たな面を知ることができて大変良いです。
社会主義者への凄惨な弾圧は今のところ描かれていないので、社会主義者が影響力を失ういきさつがまだよく分からないですけどね。
人種差別に忙しくてそれどころじゃなかったのか?
運命の日 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

暴動の様子が生き生きと(っていっていいのか?)描かれていて、暴動というものが少しわかったような気がします。
日本では暴動ってないですもんね。(安保以来)
警察官の待遇改善のためにダニーは頑張ったのに、結果は全く皮肉です。
ストに参加した警官は解雇、弟は失明、末弟からも白い目で見られる。
ストが鎮圧された後はダニーたちが要求していた条件で新しく警官が募集される。
結果的に警官の待遇改善にはなったものの、ダニーたち自身は何の恩恵にも浴さない。
うーん。深い。
時を見極めるのが大切なんだろうなーとおじさんは思うのでした。
スコッチに涙を託して

夜に生きるを読んで感心した作家さんです。
この本は夜に生きるに比べればあれですけど、学生時代に気晴らしに書いたと聞けば、びっくり仰天です。
闇よ、我が手を取りたまえ

「スコッチに涙を託して」に続き、ケンジ―シリーズ(っていうのかな?)2冊目です。
1冊目よりパワーアップしていると思いました。ストーリー展開も面白いし、達者です。
本当に2冊目に書いた本なのか。
凄い才能だと思います。
嘉月堂のプロフィール

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