行動経済学の使い方(大竹文雄)|なぜ人は「わかっていても」失敗するのか

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夏休みの宿題をなぜ最終日まで溜めてしまうのか。ダイエットを決意したのになぜ翌日にはケーキを食べてしまうのか。これは意志が弱いからではない——人間の脳の設計上の特性だ。あなたがそうなるのは、あなたのせいではない。

行動経済学は「人間は合理的に行動する」という従来の経済学の前提を覆した。なぜなら人間は感情、習慣、認知バイアスによって意思決定を歪めてしまう生き物だからだ。そしてその「歪み」は予測可能であり、うまく設計すれば社会の問題を解決できる——これが本書の核心だ。

Contents

現在バイアス——未来より今が大事

「今日の100円は明日の110円より価値がある」という感覚を人間は本能的に持つ。将来の健康のための運動より、今夜のビールを選ぶ。老後の貯蓄より、今の消費を選ぶ。この現在バイアスが、あらゆる「先送り」の正体だ。

ナッジ——そっと背中を押す政策設計

強制せず、禁止もせず、ただ「選択の文脈」を変えることで人々の行動を望ましい方向に誘導する——これがナッジ理論だ。器官提供の意思表示をオプトアウト方式(デフォルトで「提供する」)にするだけで提供率が劇的に上がる。給食の野菜を前に出すだけで摂取量が増える。

期末テストより小テストを——教育への応用

現在バイアスがある学生は、期末試験一発勝負だと直前までさぼる。しかし小テストを定期的に課すと、その都度「今すぐやる」動機が生まれる。強制ではなく設計で学習習慣を作れる。

社会政策としての行動経済学

著者の大竹文雄(阪大教授)は、日本の社会保障、税制、医療、教育政策への行動経済学の応用を具体的に論じる。コロナ禍での行動変容要請も、行動経済学の視点から読み解くと「なぜ効かなかったか」が見えてくる。

「わかっているのにできない」という悩みを持つすべての人、そして社会問題の解決策を考えるすべての人に強くお勧めする一冊だ。難解な理論はなく、具体例が豊富で読みやすい。

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