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『電撃デイジー』は、最富キョウスケがベツコミで連載した全16巻完結の作品です。この記事では、6巻のネタバレあらすじをまとめます。収録はその25からその29までの5話と、番外編2本です。
偽DAISYの事件の主犯は、新井ではなく森先生でした。照は新井に連れ去られ、倉庫で森先生と向き合い、海に落ちます。黒崎は照を海から引き上げ、人工呼吸をして助けます。そして黒崎は、DAISYの正体と兄の死の経緯を照に話す覚悟を固めます。
竹田の犬を保護する話も収録されています。
電撃デイジー6巻の見どころ3つ
見どころ① その25「世界でいちばん」〜その26「くちづけ」
その25、照の夢。兄が言います。誰かを殺したいほど憎むことなんてよくあることさ。ただの過ちに「罪」なんて名前をつけて、わざわざ苦しまなくてもいいんじゃないか。照は答えます。大丈夫だよお兄ちゃん。DAISYと、黒崎と出会わせてくれて、ありがとう。何があってもくじけないよ。
深夜、生徒会長の玲奈の携帯が鳴ります。相手は新井です。玲奈は聞きます。「あなたが本当に偽DAISYのメール事件の犯人なの?」。新井は、馬鹿なことをしたと思っている、明日理事長のところに出向いて全部白状する、と言います。そして「紅林照を襲ったのは俺じゃない」。学校にいる共犯の、と言いかけたところで、玲奈が森先生の名を出します。森先生を街中で刺し殺そうとしたのもあなたじゃないの。新井は「なんのことだ」。あの女が殺されかけたという話は聞いていない。
翌朝。理事長から黒崎に電話が入ります。偽DAISYの事件の犯人が自首した。照はDAISYに、心配かけてごめんなさい、事件が解決してよかった、とメールを送ります。
一方、理子が黒崎に報告します。黒崎が怪しいと言っていた森先生のデータが、教職員のデータベースから全部消されていた。理事長室に残っていた履歴書の経歴も裏を取ったらデタラメ。採用は2年ほど前、前任の理事長のときだった。そして警察から連絡。森先生を刺した犯人が自首し、新井に金で雇われたと言っている。黒崎は言います。「あの女 タチの悪さじゃ新井より格上だと思うぜ」。
屋上。玲奈が照に打ち明けます。昨夜、新井から電話があった。森先生の事件は本当に知らないみたいだった。話の途中で誰かと争う大きな音がして、電話が切れた。それから何度かけてもつながらない。照は玲奈を理事長室へ連れて行きます。
理事長室。理事長が整理します。新井は偽DAISYの事件には関与しているが、森先生を襲った事件については無関係だと言っている。森先生を刺したという犯人は「新井に頼まれた」と言っている。新井は行方不明。照は玲奈に言います。玲奈はちゃんと信じてあげて。
そして照は、黒崎の前で言います。私なんか、行方どころか正体もわからない人、DAISYとかヘンな名前でしかもハッカー、会話はメールだけで文章はいつも異常にクサい。見たことないからハゲてるかもしれない。なんで正体を隠しているかもわからない。そんな人を、私は信じてる。
玲奈と理事長はタクシーで警察へ。見送りに出た照に、理子は、帰りは黒崎に送ってもらいなさい、と言います。DAISYからもメールが届きます。事件が解決に向かっているみたいだけど、危険な目に遭わないように気をつけて。学校帰りも誰かに車で送ってもらうといい。
照は一人で校門前に向かい、そこから黒崎に電話します。今日帰る時も車で送ってくれないかな。だってDAISYがそうしてもらえって言うんだもん。黒崎が「どこにいんだよ」と聞き、照が「校門まえ」と答えたところで、声が途切れます。
照は背後から口をふさがれます。「…あらいせんせ……」。黒崎が校門前に駆けつけると、照の姿はなく、地面に血のしずくが落ちています。
その25は、連れ去られた照の心の声で終わります。理事長室で黒崎を前に言い切った「信じてる」の続きです。「DAISY ほんとだよ あなたのことを 世界でいちばん 素敵な人だって 誰に何を 言われたって 信じてる」「何があっても 守ってくれるって 信じてる」。
その26。照の携帯から、DAISY宛てにメールが届きます。「DAISYを名乗る者へ 紅林照の身柄をあずかった」。埠頭の倉庫街のビルで待つ。30分以内に到着せよ。必ず一人で来い。警察には連絡するな。差出人は、新井。
黒崎は理事長に、このことは警察にまだ黙っていてくれと言い、一人で倉庫へ向かおうとします。理事長は止めます。相手が新井だけとは限らない。おまえ一人でどうにかなると思っているのか。黒崎の答えです。「でも犠牲が俺一人ですむならそれでいいと思う それが正義のヒーローってもんだ 違うか?」。理事長は「おまえ 正義のヒーローっていうガラじゃないだろ」。黒崎は笑って、マスターと一緒に行くから心配するな、40分こっちから電話がなかったら警察に連絡を頼む、と言います。
倉庫。新井と照。照は、連れ去られた時のことを思い返します。携帯を取られ、ナイフで脅され、目隠しをされて車に乗せられた。でも新井はナイフの刃を閉じて放り出し、仲間と連絡を取った様子もない。そして照は気づきます。新井は大ケガをしています。照は、返してもらった携帯で黒崎に電話をかけ、つないだままにします。
黒崎の車。スピーカーから倉庫の声が聞こえます。照が聞きます。誰かに刺されたの。新井は、昨日の晩、玲奈と電話をしているときに養護教諭の森千春に刺されたと答えます。
新井の話です。「俺をDAISYがらみの犯行に誘ったのもあの女だ」。しかもなぜか、俺があいつを殺そうとした犯人なんだって。おそらくあいつの自作自演の狂言だろう。俺が「違う」と言う前に死んでしまえば全部闇の中。もともと全部俺に押しつける予定だったのかもしれない。自分が引き受けたのは、情報の管理と雑用だけ。奴らが情報集めに使っていたサイトは、あの女が全部書き替えた。偽DAISYのメール事件の直後に、DAISYがそのサイトをハッキングした。奴が見れば俺が主犯のように見えるだろう。
新井は照に、USBメモリを渡します。書き替える前のサイトのデータを、こっそり保存しておいたものだ、と新井は言います。奴らが何を隠そうとしたのか自分にはわからないが、DAISYなら気づくようなものだろう。これを持ってここを出るんだ。建物を出たらまっすぐ左に行けば街に出る。
用はそれだけだ、と新井は言います。照は聞き返します。連れ去ってまでしたかったことが、それだけ、って。新井は言います。俺は今、殺人未遂の容疑者だ。ついてきてくれと頼んだら素直についてきたか。DAISYやおまえをはめるのに協力したのは事実だ。こんなデータを渡すのは、俺を利用した奴らへのささやかな仕返しだ。危険なことにつき合わせてすまなかった。「できれば…玲奈に…すまなかったと伝えてくれないか…」。伝言を頼むその言い方が、照には、死ぬつもりの人の言葉に聞こえます。照は声を荒らげます。どういう意味ですか。まさか自殺とか、バカなことを考えているんじゃないでしょうね。
そこに、照と新井がいる事務所の電話が鳴ります。留守電に森先生の声。保健室の森先生ですよー。紅林さん、いるんでしょう。
その声は、つないだままの照の携帯を通して、倉庫へ向かう黒崎の車にも流れています。車の中で黒崎が叫びます。あの女が逃げた新井を始末しに来たんだ。下手すりゃ照も殺られる。
森先生が言います。1階にはもうガスが充満している。万が一火がついたら、わかるよね。そこにいる男は誰かの大事な機密データをパクって逃げた。それを持ってきてよ、処分してあげるから。入口で待ってる。「3分待っても来なかったら共犯とみなしまーす」。
新井は照に言います。俺には構うな。データをあの女のところに持っていけ。そうすればおまえは無事に帰れる。
車の中。マスターが黒崎に言います。照ちゃんに何か伝えてやったらどうなんだ。黒崎は答えます。何をだよ。待っとけってか。3分経ったらドッカンだ。データを持って出て行ったら、新井は速攻で殺される。でも、あいつは一人で出ていくだろう。
マスターは言います。照一人を助けて新井を見限るのは、残酷だが最善の選択だ。新井を見限る覚悟はできたのか。黒崎は「なわけねーだろ 俺にそんな立派なタマがついてると思ってんのか」。新井を切り捨てられるほど非情にはなれない、ということです。
照の心の声です。DAISYを悲しませるようなことはできない。照は新井の手を握って、ごめんね新井先生、と言い、新井を一人残して部屋を出ます。DAISYが私に新井先生を見捨てろと言うわけがない。言えるわけがない。
入口で森先生が言います。かわいそうだね新井先生、見捨てられて。照は、ハイどうもね、と返します。照の心の声です。だからわかってる。新井先生を助けるためには、こうするしかないんだ。
照が森先生に差し出したのは、データではなく、ゴキブリでした。森先生は悲鳴を上げ、「殺してやる 絶対殺す!!」。黒崎は車の中で、ほら見ろ、あのバカほんとにやりやがった、俺がやれって言ったんじゃないからな、と言います。マスターは、わかってたならおまえも同罪だ、と返します。
森先生に追われながら、照は心の中で言います。「わかってるよDAISY あなたが私に伝えたいこと わかってる」。車の中で黒崎は照に何も伝えられませんでしたが、照には分かっています。DAISYは必ず助けに来る。
森先生が照を見失います。落ちていた照の携帯の画面には、こうありました。「うみもぐって かくれます たすけてDAISY てる」。照は森先生につかみかかり、森先生と一緒に海へ落ちます。照が信じているDAISYの言葉は、これです。「心配するな」「おまえがどんな無茶をしたって」「最後は必ず俺が助けてやる」。
マスターが黒崎に呼びかけます。救急車を呼んだ。新井も連れてきた。照ちゃんはどうした。黒崎は、海から引き上げた照を抱えています。照は水を吐きます。
照の記憶です。ぼんやりして、あんまりよく覚えていない。「新井は大丈夫だよ」と言われて、ほっとして目を閉じた気がする。私のじゃない心臓の音が聞こえて、あったかくて眠くなって。「…りがと……だいすき……DAISY…」。何か言ったような気がするけど、覚えていないんだ。
見どころ② その27「決意」
その27、海の中の照。あ、また殴られた。口を切ったのかな、へんな味がする。海水が目にしみる。でも、負けるもんか。めちゃくちゃでもいいんだ。頑張るんだ。へんだな、声が出ないや。まあいいや、そんなの。もう大丈夫だもんね。怒られるかな。できればほめてほしいな。ぎゅってしてくれたりしないかな。「ねえ DAISY」。「守ってくれてありがとう──」。
病院。照は笑いながら眠ったまま。理子は、入院してから目を覚まさないと心配しますが、黒崎は、体力を消耗すると爆睡するやつだ、と言います。マスターが明かします。海の中でおぼれていたから、祐がすぐに引き上げて人工呼吸した。理子は、黒崎がこれまで照にしてきたこと(ほっぺにチュウ、添い寝、お姫様だっこ)を数え上げて、今度は人工呼吸、とからかいます。黒崎は「そこはさすがにノーカンだろ!!! 人命救助です」。
理子は照に言います。「照ちゃん よくやったわよ えらいわ」。そのおかげで新井先生が助かった。マスターと祐も。黒崎は、面会の許可が出た新井と話しに行きます。理子はマスターに、祐の様子が変だったと言います。マスターは察します。DAISYだとバラすという話か。色々あってやっと一息つけそうなところだから、そんなに急がなくてもいい、と。
新井の病室。理事長と黒崎がいます。理事長は新井に確認します。偶然あなたと出会った照が事情を察して、自分から協力を申し出て同行した、そう聞いているが間違いないか。新井を拉致犯にしないための筋書きです。黒崎が続けます。照から俺に電話があって、行き先を聞いたから助けに行けた。警察だって新井が拉致したとは思わない。
理事長は言います。回復後にあなたは様々な容疑で取り調べを受ける。その後の就職先など、最低限の生活の保障もする。持ち出してくれたデータは警察に提出する。あなたの誠意を示す証拠になる。新井は、僕は二度も学校に損害を与えた、なんで今さら、と聞きます。理事長はこう答えます。もちろん打算があってのことだ。あなたに再度寝返られたら困るのは我々だ。あなたを襲った森千春は行方不明。今後どんな理由があろうとも、彼女を含め敵側の人間とは絶対に接触をしないでください。
そして理事長は言います。「なんの打算もなく あなたを信じ あなたを助け あなたの無事を心から喜んでいる人がいます」。どうか、そのことだけは忘れないでください。「彼女らの想いに報いる生き方をしてください」。新井は「…はい」「ありがとうございます…」。
照が目を覚まします。マスターが人工呼吸の話を持ち出し、照は顔を真っ赤にします。理子に、おぼれる前のことは覚えているか、と聞かれて、照は答えます。森先生とガチバトルしたあたりは、今思えばひどい闘いでした。品性的な意味で。理子は言います。あの女はもう「先生」じゃない。結局まんまと逃げた。警察の捜索でも今のところ見つからない。
遥と玲奈が見舞いに来ます。玲奈が照に言います。新井先生のこと、助けてくれたんでしょ。危ない目にあってまで。「…ありがと…」。
玲奈に礼を言われて、照は思い出します。5巻で森先生が店を出る時に言った「私が襲われたらあなたのせいなんだからね!!」。そして、森先生が刺されたあと、自分が黒崎に打ち明けた本音「あんな女 殺されてもいいと思ったから」。人の死を願った自分を、照は「罪」として苦しんできました。
その、心の中にあった重い痛みが、今は少し軽くなっています。照は自分に問います。あの女が悪い人だとわかったから? 闘って負けなかったから? 違う、きっとそうじゃない。なにかがわかった気がする。何がわかったのかは、ここでは書かれていません。照は玲奈に、ありがとう、と返します。
コンビニの前。理事長が黒崎に聞きます。照ちゃんに危険なことをさせた件が、気になりますか。それなりにうまくいく確信もあったのでは。黒崎の答えです。不思議とあいつの考えていることがわかったし、少ない情報で何をするかも予測できた。俺の助けを前提にして無茶をすることも含めて。「言葉をかわさなくても 通じ合ってる気がしたんだ」。
理事長は言います。ここでメガトン級のノロケがくるとは。でも、そのように思えるのなら、あなたたちにはそろそろ必要なくなるのかもしれない。「メールも 携帯電話も DAISYも」。ただし、と理事長は続けます。血で血を洗う修羅場になるかもしれない。本当は背中を押してやるべきところなのだけれど。黒崎は言い返します。なんでそんな不吉なことを。それなりにハラを決めようとしてるんだぞ。
病院に戻った黒崎は、友達と笑う照を見て、会わずに帰ろうとします。理子が黒崎に伝えます。照ちゃんは、おぼれた時にあなたをDAISYと呼んだことを、全然覚えていない。黒崎は「…そうなの…」とだけ答えます。
黒崎の心の声です。いつから俺は、こんなふうに変わったんだろう。あいつが笑っていれば、それを見守っていられれば、十分だった。今までは。ぶっちゃけるのは俺もキツい。たぶん死ぬほどキツい。そんなのは自業自得だ。
照が追いかけてきて、黒崎に目隠しをします。「だーれだっ!!」。帰ったって聞いたから急いで追いかけたのに。早く会いたかったのに。照は言います。あのね、ありがと。聞いたよ。海で私がおぼれて、人工呼吸して助けてくれたんだよね。「…ありがと」。
黒崎の心の声です。こういう時に、たまらないんだ。ほんとはちゃかさないで、めちゃめちゃに抱きしめたいんだ。おまえを見守っていられればいい。何度も逃げようとして、だけど、おまえが欲しくて、少しずつ覚悟を固めた。だけど、わかってる。俺がここから踏み出す時は。「俺はおまえに 必ず涙を流させるんだ」「これまでのどんな涙より 苦しい涙を」。
見どころ③ その28「ハッピーエンドの可能性」
その28、秋の裏庭。照は黒崎の下僕として掃除をしています。日常が戻ってきました。照はDAISYに、元気です、日常が戻ってきてチンピラにこき使われまくっています、とメールします。清が雑誌の暗号クイズを持ち込み、照が解き、清が自作の暗号問題を出します。数字が7つ。僕の宝物はなんでしょう。
カウンセリングルーム。理子と黒崎がオセロをしています。理子は黒崎に言います。DAISYとか色々バラすのは、やっぱりもう少しだけ後にしない。黒崎は答えます。話した後で照がダメージを受けたら、あんたにフォローを頼むことになる。俺はしばらく距離を置くかもしれない。場合によっては戻ってこられないかもしれない。そんな時は理子、あいつのことをよろしくな。
理子は言い返します。私はそんなことを心配してるんじゃない。照ちゃんだって、あんたと離れたいとは絶対に思わない。そう言いかける理子に、黒崎は言います。あんたの気持ちは嬉しいけど、そこそこ覚悟はしてる。奏一朗が何故死ぬことになったのか、その一連の話だ。唯一の肉親を失った原因が俺にあると知って、あいつがショックを受けないはずがない。失望されても、裏切られたと思われても、無理はない。
理子は聞きます。全部話す気になったのは、私があの時「言えばいいのよ『きみのことが大好きなんだ』って」と言ったから。黒崎は、そうだな、きっかけはな、と答えます。理子は言います。だったらごめん、考え直して。私、無責任なことを言った。根拠もないのに全部うまくいくみたいなこと。「撤回するわ!」。あれは私の願望なだけで。
黒崎は「なんで? 撤回すんなよ」。俺、嬉しかったよ。すごく。「奇跡みたいに嬉しかった」。奇跡の大逆転って意外とあると思わないか。俺も最近そう思うようになった。ちょっと前までそんなこと考えもしなかったのに。俺も根拠もなく期待してる。奇跡みたいなハッピーエンドを。だけど、もし奇跡なんか起こらなくても。「俺はもう 今までの全てのことを 無駄だったとは思わない」。
喫茶洋食「お花畑」。理事長のおごりで慰労会です。照はビーフシチューを食べ、最高に幸せだと言います。理事長が照に聞きます。あなたの友人に「アキラ」という人はいますか。新井から聞いた。偽メール事件の犯行時に接触した人物で、あなたと同じくらいの年格好の少年らしい。照は、ものすごくよくある名前だ、うちの学校にも12人いる、と答えます。
理事長が胃の調子が悪いと言うと、照は病院で検査を受けるよう勧めます。うちの兄もそんなことを言っていた。進行したスキルス胃がんだった。仕事中に倒れるまで気づかなくて。そこまで言って、照は謝ります。よけい食欲がなくなることを言って。
帰り道。公園の遊具の上で、黒崎は清の暗号を一瞬で解きます。答えは「“FRIENDS”」。照が驚くと、黒崎は言います。「嫌いだよ 暗号なんか」「解くのも 作るのも」。その言葉が、照には、しぼり出すように聞こえました。
その頃、マスターと理子。マスターは、おまえが酒に飲まれるなんて珍しい、何かあったのか、と聞きます。理子は、話したら泣いちゃうからナイショよ、と答えます。理子が泣きそうになるほど心を動かされたのは、オセロのときに黒崎が言った言葉です。ごめんな理子。あんたは奏の恋人だから、ずっとあんたに憎まれてると思っていた。でも、あの時初めて、あんたが本当に俺の幸せを願ってくれていると思った。きっと、あんたじゃなくて俺が変わったんだな。
もしあいつが事実を知って、DAISYと俺の全部を馬鹿げた嘘だと思っても。照と関わって守れたことに価値があった。無駄にはしない。あいつと出会えて、あいつといられて、俺は幸せだった。それが嘘になることはない。「そのことを あいつに 伝えたい」。理子は答えました。もし離れても、なんかの形で照とあんたを支えるよ。
遊具から飛び降りた照を、黒崎が抱きとめます。黒崎は照をおろしません。「照 ありがとうな」「ほんとに おまえでよかったよ」。照は、お酒臭いよ、と返します。黒崎は、おまえは乳臭いよ、と。照の心の声です。ヘンなの、黒崎。きっと、酔ってるんだ。
翌日。清の答え合わせで「FRIENDS」は正解でした。照は理子と電話をしながら、フードをかぶった少年とぶつかります。その男の子が気になったのは、お兄ちゃんに似ている気がしたからです。「それが理事長の言っていた“アキラ”だったなんて」「その時 私が気づくはずがなかったのです」。
その29は、竹田の話です。嵐の夜、ずぶぬれの黒崎が、首輪をつけた子犬を抱えて帰ってきます。竹田から「見せたいものがある」と呼び出された待ち合わせ場所に、竹田はおらず、壊された携帯と子犬だけがあった。黒崎は最悪の事態を想像します。照は、黒崎がすり減らした分を補う力になりたいと思います。6巻は、この騒動の結末で終わります。
6巻の名セリフ2選
その25「世界でいちばん」、照の言葉「誰に何を 言われたって 信じてる」「何があっても 守ってくれるって 信じてる」(p.36〜37)です。校門前で新井に口をふさがれた照が、心の中でDAISYに向ける言葉です。理事長室で黒崎を前にして、DAISYを信じると言い切った、その続きにあたります。
その27「決意」、黒崎の言葉「俺はおまえに 必ず涙を流させるんだ」「これまでのどんな涙より 苦しい涙を」(p.113)です。海で助けてくれた礼を言う照を前に、DAISYの正体と兄の死の経緯を話す覚悟を固めた黒崎の、心の中の言葉です。
6巻の収録話一覧
・その25「世界でいちばん」
・その26「くちづけ」
・その27「決意」
・その28「ハッピーエンドの可能性」
・その29「かわいい子には叶わない」
・番外編「聖夜のコスプレ伝説〈レジェンド〉」
・番外編「それぞれのしあわせなお正月」
6巻で名前がわかるキャラクター
・森千春〈もりちはる〉:照の学校の養護教諭。保健室の森先生
・アキラ:偽DAISYのメール事件のときに新井と接触した少年。照と同じくらいの年格好
・薫子〈かおるこ〉:竹田の飼い犬。柴犬の子犬
アニメではどこまで?
TVアニメ放送開始後に、この巻がアニメのどこまでにあたるかをここに追記します。
電撃デイジー6巻を読む
新井に連れ去られた照が、森先生と向き合って海に落ちる。黒崎が海から引き上げて、DAISYの正体と兄の死の経緯を話す覚悟を固める。事件がひとつの区切りを迎える6巻です。電子書籍でそのまま読めます。全16巻で完結している作品なので、1巻から通して追うのもおすすめです。
前後の巻・総まとめ
まとめ
6巻では、偽DAISYの事件の犯人として新井が自首する一方で、森先生の経歴がデタラメだったことがわかります。照は新井に連れ去られ、倉庫で新井から、自分を誘ったのも、自分を刺したのも森先生だと聞かされます。森先生に追いつめられた照は、新井を助けるために森先生と海に落ちます。
黒崎は照を海から引き上げて助けます。理事長は新井に、想いに報いる生き方をするよう諭します。黒崎は、DAISYの正体と兄の死の経緯を照に話す覚悟を固めますが、それが照に苦しい涙を流させることも分かっています。理子との会話で、黒崎は「今までの全てのことを無駄だったとは思わない」と言います。
照がすれ違った少年が、理事長の言っていた「アキラ」だった場面も見逃せません。黒崎は照に、いつ、何を話すのか。7巻の展開が気になるところです。


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