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健康で文化的な最低限度の生活 第1巻
第1話 生活保護のお仕事
義経えみるは東区職員に新規採用になり、生活保護担当になる。えみるは、小さいころから「天然」「いい意味でボンクラ」といわれてきた。本人は空気が読めないと自覚している。
えみるは110の生活保護世帯を担当することになる。覚せい剤、DV、ホームレスなどいろいろな問題がある。
善人者との引継ぎで訪問した世帯は、おばあさんと小学4年生の世帯。母親は男といなくなる。訪問した部屋は散らかり放題、コンロの壁が焦げている。また、おしっこの匂いがする。
おばあさんは認知症かもしれない。前任者の半田は、笑顔で対応する。
留守中に平川という人から電話があり、折り返しかけると「今から自殺する」という。平川の近所の親戚に電話すると、「よくあることだから」といわれる。
翌日出勤すると、平川はビルから飛び降りていた。
第2話 福祉事務所へようこそ
えみるはいろんなお客さんの対応で右往左往する。それに比べて同期の仲間たちは、てきぱきと仕事をこなしている。
同期の七条が母子家庭の母親の応対をしている。一緒に来た女の子が退屈しているので、えみるは相手を頼まれる。
女の子とおままごとを始めると、女の子の顔が暗い怒りの形相に変わり、えみるに次のようなことを言い始める。
「いうことが聞けないなら出ていきなさい!」
「どうして私がこんな目に合わなきゃいけないの!?」
「私だってがんばってるのよ!! でももう薬がないの!! だからもう死んじゃうの!!」
「私は本当はパパと暮らしたかったのよ!! アンタさえいなければ・・・」
「アンタは出てきななさい!ほら!! 今すぐ!! 出てって!! 出てってよ・・・!!」
たぶん母親に言われていることなのだろう。
おままごとだから、女の子は素直に母親のまねをした。おままごとが終わると、笑顔に戻る。
七条との話が終わった母親に駆け寄り、抱っこをされ、笑顔で帰っていく。
えみるは人生のリアリティにふれる。
第3話 いろいろな人いろいろな人生
半田と家庭訪問。
1軒目は、バブルのころは派手な生活をしていたが、今は落ちぶれてしまった人。
えみるは、そんな遊ぶお金があったら、ためておけばよかったのにと思う。でも、生活保護は過去は問わない。
2軒目は、薬物依存の後遺症の人。
何も言わないえみるに「何で何も言わないのか」と食って掛かる。「あんたなんか、死ねっ!!」とまで言われる。
第4話 働かなきゃダメ?
生活保護を受けている人のうち、15歳から65歳までを稼働年齢層という。
稼働年齢層の実態調査を行い、就労支援を行っていくことになる。
同期の仲間もそれぞれ、就労支援が必要なケースを抱えている。
えみるの担当は、やたらせき込む人。医者の診断は、「異常なし。あらゆる就労が可能。」
第5話 働いてもらいます!?
えみるが就労支援している人は阿久沢正男。一日一食しか食べていないという。
半田は、酒とかギャンブルなど、どこかで金を使っている可能性があるという。
えみるは阿久沢を家庭訪問する。半田が生活保護を受ける前に作った借金の返済に追われていることが分かる。
第6話 かくしごと
阿久沢は借金があると生活保護を受けられないと思っていた。とんだ誤解。
えみるは債務整理のために法テラスに行こうと勧める。阿久沢は自分が作った借金なんだから払うと言ってきかない。弁護士に相談して債務整理できるかもしれないと言っても聞き入れない。
全く謎である。
第7話 ダブルワーク
七条が就労支援をしていた女性 岩佐は、昼間介護の正社員をし、夜は居酒屋でバイトをしていた。
最近、全然連絡が取れなくなっていた。
えみると七条が偶然、岩佐を見かける。七条に気づいた岩佐は逃げるように去ってしまう。
岩佐は、介護の会社にダブルワークがばれて解雇されていた。
岩佐は、七条に連絡を取り、福祉事務所にやってくる。七条は職探しを頑張ろうと励ます。しかし、岩佐の様子が変。異様に張り詰めた雰囲気で、2階の窓を開けてみたり、トイレで泣いてみたり。
就労支援員の秋月は、岩佐の異常に気付き、休むことを勧めるが、聞き入れられない。
嘉月堂のプロフィール
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