Contents
からくりサーカス 第27巻
サーカス~再終幕
第45幕 3年前から現在へ
正二は、軽井沢の別荘にある貞義の転送装置を破壊した。機械の修復には3年かかる。
一方、正二は、ゾナハ病にかかった黒賀村の人々を助けるため、生命の水が解けている血液を飲ませる。
正二は、大量の血液を抜き取ったため動けなくなる。
正二には気がかりなことある。それは、なぜ貞義がゾナハ病を操ることができたのかということである。しろがねでも分かっていないゾナハ病の病原菌を操ることができる貞義とは、いったい何者か。
貞義は、正二の名をかたりエレオノールに手紙を出す。それは、マサルを守るため日本のサーカスで待機せよというもの。
その間に、貞義は転送装置を修復し、マサルに自分の記憶を転送する。
2月17日貞義はマサルを呼び出し、睡眠薬で眠らせ、車の中で転送を開始した。
高速道路の走る貞義とマサルが乗った車の前に、正二が立ちふさがる。
第46幕 始まりの年
正二は、転送装置のコードをきる。貞義の記憶の転送が完了したか、していないかは不明である。
正二と黒賀の里の者たちは、貞義を濃硫酸の中で溶かそうとする。
正二は抵抗する貞義を抱きかかえ濃硫酸のプールに飛び込む。
回想から戻ったマサルにギイは、「お前は貞義なのだろう。殺してやるよ」という。
第47幕 隠れていた風景
正二に記憶から戻ったマサルに正二は今どんな気分かたずねる。
マサルは、自分は才賀勝だと答える。
ギイは問答無用でマサルを殺そうとする。
そこにとり型の自動人形グリュポンが現れマサルを逃がす。
マサルは自分が貞義でないことを証明するため、死体が見つかっていない貞義を探すことにする。
マサルの脳裏に、今まで見たことのない、フランシーヌと白銀の姿や、菜の花畑の風景が浮かぶ。マサルは混乱する。
第48幕 誰ぞ知るや遠き記憶
黒賀の里の者がマサルを捕えようとする。マサルは子供とは思えない、体の動きでかわす。
それを見ていたギイは、やはりマサルは貞義だと思う。
屋敷の物置に隠れたマサルはあるるかんを見つける。その瞬間、見たこともない光景がマサルの脳裏によみがえる。
ギイが物置に現れ、刃物をマサルの首にあて頸動脈を切り裂こうとする。
その瞬間、マサルの顔つきが変わり、妙なことを話し出す。中国の言葉が混じっており、貞義の記憶でも、ディーンの記憶でもない。
第49幕 失われし時の輪Ⅰ
中国の貧しい村に自分は生まれたという。
いじめっ子から守ってくれて、本をたくさん読んでいろんな話をしてくれる兄が大好きだった。
マサルは、兄の名前は銀で、自分は白家の金だという。
マサルは、白銀と白金の物語を語る。
二人は、より人間に近い人形を作るためプラハの錬金術師に弟子入りする。
白金は、美しい娘フランシーヌと知り合い好きになる。
白銀もフランシーヌを好きになり、二人は結婚する。
白銀を白金は深く恨む。
第50幕 失われし時の輪Ⅱ
フランシーヌが逃げようとするたび、白金はフランシーヌを、激しく、何度も何度も、人相が変わってしまうまで殴った。
あるひ、白金はフランシーヌを激しく殴った後、人相が変わったフランシーヌを抱きかかえ、自分を愛してくれと泣きながら頼む。
そして、自分に前に歌ってくれた子守唄を歌って暮れうよう頼む。
フランシーヌは泣きながら子守唄を歌い、その日から逃げようとしなくなった。フランシーヌの目は、静かな湖のようになった。
フランシーヌの故郷、フランスのクローグ村に二人は住み着いた。白金は、フランシーヌの目を見られなくなる。フランシーヌを見るとイライラするようになった。
フランシーヌが疫病で村人に隔離されたときのことも、白銀がクローグ村に来たことも、フランシーヌが焼け死んでしまったことも、白金はぼんやりとしか覚えていない。
その後、白金はフランシーヌに似せた自動人形を作り、フランシーヌの遺髪を植毛した。フランシーヌ人形は、本物のフランシーヌのような笑顔を見せてくれない。クローグ村に復讐をしたとこもフランシーヌ人形は笑わなかった。
失望した白金は、フランシーヌ人形を捨て、故郷に帰り、生命の水を作ってそこに溶けてしまおうと思った。
その時、フランシーヌの遺髪を生命の水に溶けこませ他の女に飲ませれば、フランシーヌの記憶を持った女を作ることができるのではないかと考えた。
白金はフランスにフランシーヌ人形の髪を取りに行こうと考えたが、自分が年を取りすぎていることに気づき、若い肉体ディーン・メーストルに生まれ変わることにした。
第51幕 失われし時の輪Ⅲ
白金はまず、自分についてきた犬にじぶんの髪の毛を溶かした生命の水を飲ませ、自分が完全に溶け込んだ生命の水をさらってきた子供に飲ませるように言う。
白金は、生命の水に完全に溶け、さらった来た子供に犬がその生命の水を飲ませる。
白金は、こどもと死して再生することに成功し、フランシーヌ人形の髪の毛を取りにフランスのキュベロンに向かう。
白金がキュベロンについてみると、フランシーヌ人形はない。
白金は昔住んでいた屋敷で、アンジェリーナと出会う。アンジェリーナはフランシーヌそっくりだった。
白金は、アンジェリーナと人生をやり直そうと考えた。
しかし、アンジェリーナはキュベロンを去り、日本で正二と結婚してしまう。
第52幕 そして最も恐るべき者
しろがねに潜り込んだディーンは、アンジェリーナとともに戦い、楽しい日々を送った。
しかし、アンジェリーナは去り、正二と結婚してしまった。
マサルは自分の意識を取り戻し、「どうして皆幸せになれないのか」と泣き出す。
一方、納屋の中で黒賀の里の者の大輝が関節を外されているのが見つかる。
皆とマサルの回想を聞いている大輝は偽物であることが分かる。
第53幕 魔人現る
大輝は、変装を解き、正体を見せる。
その顔は、貞義でもあり、ディーンでもあり、フェイスレス指令でもあった。
フェイスレス指令は、マサルは貞義ではなく、才賀勝のままだという。
フェイスレス指令は、自分が生まれ変わる体を引き取りに来た。
第54幕 フェイスレス出現
ギイがあるるかんでフェイスレスに立ち向かう。
しかし、フェイスレスは、あるるかんを分解し、また、溶かしてしまう。
機械の体になったフェイスレスは、強力なパンチをギイに浴びせる。
ギイは、フェイスレスに頭を踏みつけられ動けない。
フェイスレスは、手下とともにギイを殺し、黒賀の者を殺し、最後に正二を殺すという。
マサルは手下に連れ去られる。
からくりサーカス 第28巻へ
嘉月堂のプロフィール
コメントを残す