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第86話 お夕飯の支度どき
百はなは「おこぼ」と呼ばれる厚底の下駄をはいて出かけた。
おこぼの底はくりぬかれており、ほかの舞妓さんと間違わないように名前が書いてある。
新米舞妓さんのおこぼの底には鈴がついている。百花のおこぼにも鈴がついている。
きよさんは百はなの夕飯の支度をしている。 用意してあるのはポテトサラダだけ。
メインのから揚げは食べる直前に調理する。
鈴の音が聞こえ、ほかの舞妓さんたちが百はなかと思うが、キヨさんはくびを振る。
3人目の鈴の音が百はなのものであるときよさんはぴたりと当て、唐揚げをあげ始めた。
第87話 真夜中の幸せ
百はなはフライドポテトが食べたい。
自毛で髷を結っている舞妓さんはファーストフード店に入ることができない。
お客さんに高級ステーキ屋に連れて行ってもらった百はなは、さっそく付け合わせにフライドポテトを注文する。
しかし、フライドポテトは品切れ。
百はなはフライドポテトの事が頭から離れない。
タクシーに乗って屋形に帰る。タクシーの運転手さんから、「四葉のクローバー号」乗車記念のチケットのようなものを渡される。
四葉のクローバー号とは、ヤサカタクシーの激レアタクシー。ヤサカタクシーの屋根の上にあるマークは普通は三つ葉マーク。
何百台に1台の割合でそのマークが四葉のタクシーがある。
そのタクシーに乗ると幸せが来る。
百はなが台所に行くと、キヨさんが起きてきて、フライドポテトを作ってくれた。
第88話 夢の丼
舞妓さんたちが京都グルメ雑誌を見ている。近所の店がステーキ丼で取り上げられている。
舞妓さんたちはオンタイムはもちろん、オフタイムも髷を結っているので行列グルメに並ぶわけにはいかない。舞妓さんのイメージを損なってしまうからだ。
キヨさんは理子をつれて、遠くのスーパーにいき、特売のステーキ肉を買ってくる。
人だかりの中に入り込み、キヨさんも、理子もボロボロ。
ステーキ丼を食べた舞妓さんたちには、大変感謝される。
第89話 同じ顔をしている
キヨさんがインフルエンザにかかった。
百はなは理子にリンゴを買ってきてくれるように頼んだ。
青森にいたときは、いつも誰かからもらっていたので、百はなにとってリンゴを買うことは初めての体験。
青森にいる時、百はな(すみれ)は風邪で寝込んだキヨちゃんの布団のそばにつきっきりだった。
キヨちゃんが心配で、ピアノ、習字、塾などの習い事を休んでしまった。
心配したキヨちゃんのおばあさんが、「うさきりんご」をくれた。
第90話 出前で三食
キヨさんがインフルエンザにかかったので、屋形では出前を取ることにした。
何でも好きなものを頼んでいいので、舞妓さんたちはワクワクしている。
サンドイッチ、ぎょうざ、パスタ、ウナギなど何でも好きなものを食べてよい。
台所からモノを音がしなくなって数日後、舞妓さんと屋形のお母さんは、何となく台所にキヨさんの姿を探している。
翌朝、台所から包丁の音が聞こえる。
第91話 たまのお休みに
百はなは、明日お休み。髷をほどけるので、キヨさんとピクニックに行く。
百はなはずっとピクニックを楽しみにしていた。
屋形に帰った百はなに、屋形のお母さんが、明日と明後日、髪結いさんが急に休業するので、髷をほどかないようにといわれる。
百はなは、楽しみにしていたピクニックに行けないことになり、ふらふらしてしまう。
翌日、よい天気にもかかわらず、部屋にいる百はなを、キヨさんがピクニックに連れ出す。
行き先は、屋形のベランダ。
お弁当も用意してある。
第92話 着物のことも
舞妓さんの着物は、屋形のみんなでシェアしている。
百はなが着ている着物を見たメガネさん姉さんが、どこにあったのかとたずねたところ、帯用のタンスにしまってあったことが分かった。
メガネさん姉さんが最後に来たのは誰かというので、理子はメガネさん姉さんが最後にきていたという。
メガネさん姉さんが、理子にそんなイケズを言うともう着付けを手伝ってやらないという。
理子は、1時間かかっていたのを45分で斬れるようになったから大丈夫だと言い返す。
二人のやり取りを聞いていた、百はなは、屋形のお母さんから着付けを教えてもらった頃のことを思い出す。
第93話 私のお姉さん
百はなが髪結いに出かける。
メガネさん姉さんは、百はなよりも前の予約。うたた寝してしまい、慌てて出ていく。
メガネさん姉さんの生活態度を見ている理子は、何一つ尊敬できないと思う。
メガネさん姉さんの部屋で髪結いの小物を見つけた理子は、髪結いさんまで走って届けに行く。
メガネさん姉さんは、今日から、お福と呼ばれる、お姉さん舞妓さん用の髷にするので、部屋にあった小物はいらなかった。
メガネさん姉さんは、お礼にホットケーキを理子にごちそうする。
理子は少しメガネさん姉さんを見直したが、お金が足りず貸してくれといわれ、勘違いだったと思う。
第94話 青森から届いたもの
青森のばあちゃんからキヨさんに宅配便が届いた。
中身は、キヨさんが青森の実家で使っていた鉄のフライパン。
屋形のフライパンだとくっついてしまうので、使い慣れたフライパンを送ってもらった。
ばあちゃんの手紙には新聞の切り抜きが入ったいた。
二人の幼なじみの健太が、東工のエースとして活躍し県高校野球大会で優勝した記事。
キヨさんはさっそく電話しようというが、百はなは慌てて止める。
百はなは、健太に思いを寄せているのでドキドキしてしまった。
第95話 神様にお願い
百はなは、お座敷でスポーツの神様のことを聞いてきた。
その神社は球技全般にご利益があるらしいので、健太の野球の事もお願いした方がいいと、百はなはキヨさんに言う。
しかし、健太の野球の大会の日が百はなの休日の前なので、いけない。
キヨさんがその日さっそく行くことにする。
キヨさんは神様に今日も健太が楽しくしていますようにとお願いし、お守りも買ってきた。
第96話 エールと共に贈るもの
健太のお守りを送るために、百はながかわいい箱を見つけてきた。
お守りだけでは、箱に隙間ができてしまうので、二人はお菓子を作ることにした。
出来上がったマドレーヌがおいしそうなので、ついつい食べてしまい、送ったのは1つだけ。
健太は電話しようとするが、電話のある所に姉たちがいるのでよした。
代わりに、手紙をだすことにする。手紙を出しながら、もらった腕輪を掲げてみる。
手紙に書いたのは「どうも」。
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