砂糖が世界を動かした——川北稔『砂糖の世界史』が教える資本主義の本質
砂糖は甘い。しかし砂糖の歴史は、苦い血と搾取の歴史だ。川北稔の『砂糖の世界史』は、一粒の砂糖から大西洋奴隷貿易、ヨーロッパ資本主義の勃興、そして現代のグローバル経済までを一本の線で描き出した岩波ジュニア新書のベストセラー…
読書感想
砂糖は甘い。しかし砂糖の歴史は、苦い血と搾取の歴史だ。川北稔の『砂糖の世界史』は、一粒の砂糖から大西洋奴隷貿易、ヨーロッパ資本主義の勃興、そして現代のグローバル経済までを一本の線で描き出した岩波ジュニア新書のベストセラー…
読書感想
「中流階級が消えてゆく」——アメリカの都市計画学者ジョエル・コトキンがこの現実を分析した『新しい封建制がやってくる』は、デジタル資本主義の本質を鋭く抉った問題作だ。GAFAを頂点とするテック寡頭制、それを支えるエリート知…
読書感想
「民主主義はなぜ全体主義に負けるのか」——第二次世界大戦が進む最中、カール・ポパーはこの問いに正面から取り組んだ。その答えが1945年に発表された『開かれた社会とその敵』である。プラトン、ヘーゲル、マルクスという西洋哲学…
科学・テクノロジー
「AIが民主主義を殺す日が来るかもしれない」——『サピエンス全史』で世界的名声を得たユヴァル・ノア・ハラリが、AIと情報ネットワークの本質を論じた最新作が『NEXUS 情報の人類史』だ。石器時代から現代まで、人類はいかに…
読書感想
「2050年に日本の人口は一億人を切り、やがて日本は消える」——これは近未来小説の一節ではない。1999年に出版された森嶋通夫『なぜ日本は没落するか』の予言だ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの名誉教授として国際的…
読書感想
「天皇陛下の聖断で終戦が決まった」——これが日本の標準的な歴史認識だ。しかし鬼塚英昭の『日本のいちばん醜い日』は、この「美談」の裏に何があったかを徹底的に問い直す。1945年8月14日夜から15日未明にかけて起きた「宮城…
読書感想
「ニクソン訪中を成功させた男」として知られるヘンリー・キッシンジャーは、2023年の死去時に100歳だった。その圧倒的な外交キャリアの中でも、対中外交は最も評価が分かれるテーマだ。本書『キッシンジャー回想録 中国』は、彼…
歴史・戦争
1940年夏、リトアニアの日本領事館前に数千人のユダヤ人が押し寄せた。ナチス・ドイツの占領から逃れるため、日本経由でアメリカやパレスチナへ脱出しようとした難民たちだ。領事代理・杉原千畝は本国の訓令に反してビザを発給し続け…
政治・社会
「日本会議」という名前を聞いたことがあるだろうか。安倍政権以降、改憲・教育基本法改正・靖国参拝支持など、日本の保守政治の核心に深く関わってきた最大の保守系市民団体だ。菅野完『日本会議の研究』は、その実態と歴史的経緯を一次…
歴史・戦争
1931年の満洲事変から満洲国建国まで、関東軍の「暴走」はいかにして国家の意思へと変貌したのか。加藤聖文『満洲暴走 隠された構造』は、その問いに膨大な一次資料で迫る意欲作だ。軍部の独走を許した背景には、単なる暴力装置とし…