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第121話 クセ球のサウスポー
青道と西邦の練習試合。
青道の先発は沢村。
沢村はマウンド上で、「ガンガン打たしていくんで、バックの皆さんよろしくお願いしやす!!」と、いつものように叫んでいる。
西邦の選手たちは沢村の元気の良さに感心している。
西邦の先頭打者のセーフティバントの構えにも動じず、沢村は回転数の高いボールを投げる。
西邦の選手たちは、沢村のボールがつかみきれず戸惑っている。
第122話 超1年生
沢村は2者連続三振後、3番をサードゴロに仕留める。
西邦の先発は明石聖也。1年で甲子園デビューしたときは、3試合を一人で投げぬき、成宮以上の評価を得、超1年生ともてはやされた。
2年の時はひじの故障からフォームが崩れ、ほとんど投げていない。
今年は3年生。最後の年ということで気迫のピッチング。
2者連続三振に打ち取る。
2回表 山守の攻撃。打席は明石。
沢村は初球チェンジアップでストライクを取る。
第123話 サイン交換
3回まで沢村も明石も好投し無失点。
4回から西邦は、足を上げずに打ってくる。目線がぶれずにミートに徹し芯でとらえる作戦。
キャッチャーの奥村はストレートで詰まらせようとするが、力があるので詰まらせた打球も外野に運ばれる。
奥村はナンバー7を要求するが、沢村は首を振る。まだ慌てる場面ではないと考えている。
奥村はナンバー2を要求。サードゴロが併殺打になる。
沢村は得意げにベンチに帰ってくる。川上は沢村の汗の量がすごいことが気になる。
第124話 面構え
ベンチに戻った沢村に小野が№7と11を試しに投げておいた方がいいのではないかと提案する。
その日によって動きが違うのでキャッチャーもなれておくためだ。
奥村はよく言ってくれたと小野に感謝する。
青道の攻撃。4番結城は、西邦の証が感心するほど豪快なスイングで三振。
5番山口が四球を選んで出塁。6番三村がセンター前ヒット。7番樋笠が四球。
打席は8番奥村。明石は奥村の恐れを知らぬ面構えに感心する。
明石は自分も1年生の時に同じ目をしていたんだろうと思う。しかし、負けないと気迫のピッチングで奥村を三振に打ち取る。
第125話 ふし穴クソコーチャー
沢村の速い投球ペースを見て、川島、川上が自主的に投球練習を始める。
沢村も明石も好投し、両チーム5回まで無得点。
6回表 西邦の攻撃。沢村は先頭打者を打ち取るが、次のバッターに投げた球が甘く入りツーベースヒットを打たれる。
次の打席は4番明石。沢村は急に制球が甘くなり、4球。しかも奥村がボールをはじいてしまった。
ランナー1,3塁。3年生の野手たちが、よいタイミングで声をかける。
打球はセンターの定位置に飛ぶ。麻生が神送球で、ホームインを阻止。
第126話 風穴
6回裏青道の攻撃。
結城がフェンス上段にホームランを打ち、均衡を破る。
続く3年生たちが希薄のバッティング。ヒット、送りバントなどでさらに1点を追加し、青道はこの回2得点。
西邦の明石は、1年生にホームランを打たれたショックが、あとからじわじわ効いている。やり返さないと収まんねぇという。
奥村は、西邦打線がストレートにタイミングがあっているので、この回からナンバーズ中心で行こうという。
奥村は、自分がチャンスをつぶしたり、ノーヒットだったりで貢献できていないので、せめて守備では貢献したいと思う。「どんな球でも止めて見せます」という。
沢村は「よろしく頼むな相棒」と声をかけ、奥村は「絶対力になってやる」と思う。
沢村は監督から「お前がチームを引っ張れ」といわれたことを思いだし、今日だけは結
果が欲しいと思う。
第127話 運命共同体
7回表 西邦の攻撃。沢村は先頭打者を外野フライに打ち取る。
沢村の制球はこの回からさらに悪くなり、ボールが先行する。
次の打者に四球を出してしまう。沢村の調子が悪いので、西邦打線はボールを慎重に見てくる。
奥村は投球を立て直すためにストレートを要求。しかし、西邦バッターに狙われヒットを打たれてしまう。
ワンアウト 1,3塁。西邦バッターはスクイズの構えからヒッティング。セカンド頭上を越えるヒット。
西邦が1点を返す。
奥村はマウンドに駆け寄り、乱れているナンバーズを控えストレートで立て直そうという。
奥村は「死なばもろとも」「一人では死なせません」と考えている。
第128話 strike back
7回表 西邦の攻撃。ワンアウト 1,3塁。
奥村はピンチこそ強気にリードする。インコースにストレートを要求。
打球はセカンドフライ。沢村はツーアウトを取った。
奥村はまだツーアウト、油断即死と沢村に声をかける。
沢村の球威が息を吹き返し、次のバッターをツーストライクに追い込んだ。
沢村は「何度躓いても、何度期待を裏切っても、何度だってやり返せるんだ」と渾身の投球。
第129話 最後の夏
沢村の投球は高めのストレート。空振り三振に打ち取る。
沢村がベンチに戻ると、監督は沢村に「よくしのいだ」「今日はここまでだな」と声をかける。
沢村は「俺最後まで行きます」と監督に言う。
監督は奥村の意見を聞く。奥村は「ストレートにはまだまだ力がある。ナンバーズを減らせば問題ない。」という。
監督は「一人でも塁に出ればかえる」とつげ、沢村の続投を了承する。
監督は、倉持、小湊、前園、白洲を投入することを宣言する。
沢村の内野ゴロ アウトの後、代打倉持。
一方日米親善野球。第一試合が5対5で引き分け、第2試合が3対2で米国の勝ち、第3試合が1対0で米国の勝ち。
両国の選手たちは和やかな雰囲気で感想を語りあう。
解散に当たり国友監督は感謝の気持ちを述べるとともに、「高校最後の3年生として悔いの残らないよう全力で戦い合おう」と選手たちに語り掛ける。
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