📌 本記事にはアフィリエイトリンクが含まれており、リンク経由でのご購入時に紹介料を得ることがあります。
『薬屋のひとりごと』のコミカライズは2種類あり、この記事で扱うのはスクウェア・エニックスのビッグガンガンコミックス版(作画:ねこクラゲ)です。サンデーGX版『猫猫の後宮謎解き手帳』とは作画も構成も異なります。
その1巻には、猫猫が後宮に売られてから玉葉妃の侍女に収まるまでの4話が収録されています。以下、結末に触れる内容を含みます。
Contents
薬屋のひとりごと1巻の見どころ3つ
白粉に潜んでいた死因
第一話「後宮の呪い」の発端は、帝の御子たちが揃って短命だという噂です。呪いだと囁かれていたその原因を、猫猫は白粉の毒だと見抜きます。当時の化粧品には毒性のある成分が使われていて、それを日常的に使い続けることの危うさを、猫猫は花街での経験から知っていました。後宮の誰ひとりそこに思い至らないなかで、下働きの少女だけが気づいてしまった。この一点から物語が動き出します。
毒見役という居場所と、意図の読めない依頼
第二話で猫猫は玉葉妃の侍女となり、毒見役を任されます。追加給金を差し出す紅娘のやり方に、猫猫は内心で舌を巻きました。飼い慣らされていると分かったうえで受け取ってしまう、この距離感が猫猫という人物です。第三話では、壬氏という人物から催淫剤入りの包子の毒見を頼まれ、続けて媚薬の調合まで依頼されます。何が目的なのか猫猫には測りかねるのですが、薬を作れること自体が嬉しいので、結局は引き受けてしまいます。
城壁の上で踊る妃
第四話「月下の幽霊」で噂になるのは、毎晩城壁の上で踊る芙蓉妃の姿です。夢遊病だと言われていましたが、猫猫と玉葉妃は別の見方をします。芙蓉妃は幼馴染の武官に下賜されることが決まっていた。その前に帝のお手つきになってしまえば、その話は消える。だとすれば、夢遊病は装われたものではないか——2人はそう推測します。ここで猫猫は断定を避け、あくまで「そう読むこともできる」と示すにとどめました。この慎重さが、事件を暴く快感とは別種の後味を残します。
1巻の名セリフ2選
第二話、毒見役の追加給金を紅娘から受け取る場面。猫猫は「飴の使い方がうまいことで」と胸の内でつぶやきます。危険な役目に見合う対価を先に示し、断りにくくしてから引き受けさせる——侍女頭のやり口を、猫猫は正確に見抜いています。見抜いたうえで受け取るのが猫猫という人物で、後宮での身の処し方がこの一言に凝縮されています。
第四話、玉葉妃に向けて猫猫が語る「これは詐欺だったのです」。花街の妓楼で夢遊病と噂された妓女がいて、その正体は詐欺だったという過去の話です。猫猫はこれを持ち出したうえで、同じような推測もできると伝えるにとどめます。断定はしない。手持ちの事実から筋の通る読みを差し出すだけ、という猫猫の距離の取り方がよく出ている場面です。
1巻の収録話一覧
・第一話 後宮の呪い
・第二話 狂科学者〈マッドサイエンティスト〉
・第三話 宮中の天女
・第四話 月下の幽霊
・おまけ漫画 トレンド
1話あたり40ページ前後の長編構成で、1話=1事件として読めます。巻末にはおまけ漫画「トレンド」が収録されています。
1巻で名前がわかるキャラクター
・猫猫〈マオマオ〉……花街育ちの薬師。人攫いにさらわれ、後宮で下働きをすることに
・小蘭〈シャオラン〉……後宮の下女。猫猫の同僚
・玉葉妃〈ギョクヨウひ〉……公主(女児)のご生母
・梨花妃〈リファひ〉……東宮(男児)のご生母
・紅娘〈ホンニァン〉……玉葉妃の侍女頭
・壬氏〈ジンシ〉……猫猫に関わってくる人物
・高順〈ガオシュン〉……壬氏の付き人
・芙蓉妃〈フヨウひ〉……武官に下賜されることが決まっている妃
中華風の名前が並ぶため、最初は誰が誰だか掴みにくいところです。押さえるべきは、玉葉妃と梨花妃という2人の妃の対比。それぞれ公主と東宮のご生母で、この2人の関係が第一話の事件の背景になっています。
アニメではどこまで?
アニメ第1期は2023年10月から2024年3月にかけて全24話が放送され、原作小説でいう1巻から2巻までの内容が描かれました。作画のベースになっているのは、この記事で扱っているビッグガンガン版です。1巻に収録された4話は、その第1期の序盤にあたります。ただしアニメが原作としているのは小説であるため、漫画の話数とアニメの話数がそのまま対応するわけではありません。アニメから入った方が漫画1巻から読み進めると、序盤の出来事をより細かく追えます。
薬屋のひとりごと1巻を読む
2017年9月に初版が出て以来、版を重ね続けている巻です。
まとめ
1巻は、猫猫が後宮に放り込まれ、薬師としての知識ゆえに目立ってしまい、玉葉妃のもとに落ち着くまでの巻でした。白粉の毒、催淫剤、そして装われた夢遊病。4つの事件はいずれも、毒と薬をめぐる知識さえあれば見える形をしています。この作品が何を面白がる話なのかは、1巻の時点ですでにはっきりしています。


コメントを残す